INTO THE WORLD :: ローレライを観た。

2005 Sat 05 Mar

初日の一回目に見るなんて滅多にないような気もする。

小説を読んでいないのですが。小説と映画はほぼ同時期に製作は開始していたので比べるものでもないだろう。

この映画の馴れ初めを見る限り、小説=原作で原作から映画が作られたものではないし。妙な先入観を持って批評するのは愚か。

小説を読んでいる人の妄想に勝つことは出来ない。というのが持論なので。

とりあえず僕は面白かった。

音が良い。邦画実写映画ではダントツのレベルであろう。

音がちゃんとしている映画館で見ることを薦める。

香椎由宇がスクリーン映えしています。スクリーンで映える女優というのはやはり限られているというのを凄く感じました。ほんと肌が綺麗（修正されてるかはべつとしてｗ）。

終戦前、いや敗戦前の原爆投下時期のパラレルワールドの世界といって良いだろう。

戦争をちゃんと見た上で、エンタテイメントとしてよく出来ている映画だと思った。

特攻を美学とする少年を真っ向否定し、生きろという艦長。

戦争に負けてアメリカに支配されるならいっそ滅びて再生した方が良いという海軍エリート。

この映画自体は生きろという艦長側、海軍エリートの主張が正しいのかとは特に決め付けてはいないし、その辺は映画を見た後、考えてしまうテーマだと思う。

潜水艦のシーンはスピード感があってよかった。MAKOTOで妙なカメラワークで疲れたんだけど、潜水艦で揺れまくってるシーンでも気持ち悪くなかった。すごい臨場感を感じるシーンが多かった。

カメラワークの差なのか監督のセンスなのかわからないけど。

感受性が強く人の死によってダメージを受ける兵器というのは日本人らしい感覚だな。そして人をなるべく死なせずに祖国を守ろうとする。

綺麗ごとかもしれないが、そういう日本人は好きだ。

単純に兵器を手に入れて敵艦隊を次々と撃破していくスーパーな潜水艦の活躍なんていうのは全く見る意味は無いと思うので。

ラストに向かってのくだりはクオリティの高さと邦画の可能性を感じさせてくれたと思う。

福井さんの小説では今年は後二作品あるのかな。亡国のイージスは楽しみだ。間違いなく阪本さん独自の作品となっているだろうけどｗ